大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(く)38号 判決

そこで,調査すると,被告人ら6名に対する本件各被告事件の事案は,対立団体員との抗争が二日間にわたり顕在化したなかで,被告人らを含む40名位の者と共に道路上で行われた兇器準備集合の事案であり,予め警察官による観察・写真撮影・録音がされた後に被告人らを含む多数の者がその現行犯人として逮捕され,兇器と目される物品等が押収されているから,本件犯行の外形状況については一応被告人らの働きかけによる罪証隠滅のおそれは少ないと言えるものの,犯行の外形状況についても,たとえば写真は,そこに写っていない他の事実をも加えて解釈する場合にはその証明力に影響を及ぼすことがないとはいえないばかりでなく,兇器準備集合罪における被告人らの共謀・共同加害の目的及び各人の役割など重要な犯情を含めた主観的要素の点については,外形状況から推認される以外にも相互に被告人らの供述や兇器の一部の購入者・購入状況を知る一般市民の供述によりその認定が左右されることが起り得る。そして,被告人らが捜査段階において概ね取調べに対し黙秘を通し,公判段階において本件を強く争っていること,被告人ら多数の共犯者が同一団体に関係しているとみられることその他記録に現れた事情をも併せて考えれば,本件について刑訴法89条4号の被告人らが罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認めざるを得ない。本件被告事件の第一回公判期日が昭和59年2月1日に終り,同期日において冒頭手続が済み,証拠調手続に入ったものの,検察官の申請した甲号書証56点のうち,2点の写真撮影報告書が弁護人の証拠とすることの同意により取り調べられ,うち14点にその同意をしない旨の意見陳述があり,その余の甲号書証40点及び証拠物87点について弁護人の証拠意見が留保され,検察官側申請証人11名のうち4名の採用決定があり,次回取調べが予定されているに過ぎない現段階においては,右罪証隠滅のおそれは未だ解消していないものと認められる。

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